「心の仕組み」心の3層構造
5.ひとつの世界化
2.ひとつに目覚める
◆夢の世界
私たちが自分の観念や過去の記憶で捉えている世界は、「仮想」の世界です。「仮想」とは、夢のような世界なのです。そして、「実相」とは、夢から覚めた世界です。
「実相」とは、真実の世界であり、真実に目覚めていなければ、人は「仮想」の世界で寝ているといえます。
人は怖い夢を見ると、寝汗をかいたり、うなされたり、金縛りにあったりします。
しかし、目が覚めると、何もなかったことに気づきます。
それでもまだ、汗をかき、心臓は脈打っているのです。
まさに人は、夢に動かされ、振り回されているのです。たとえ起きていても、持ち越し苦労や取り越し苦労をしています。人は、起きていながら寝ているとも言えるのです。本当の自分に目覚めたら、一瞬にして、「実相」の世界に生きることができるのです。

◆ひとつの世界
「実相」の世界、真実の世界とは「ひとつの世界」です。
人は何でも、自分と他とを区別し、分離して考えます。
しかし、その考えを外せばひとつにつながっている世界があるのです。
たとえば、地球上には、いくつもの大陸や島があり、全部、分離しているように見えます。ところが、海の水を全部抜き取ったら、すべての大陸がひとつにつながっていることがわかります。全部がひとつ、全部が味方だという宇宙意識的な発想になれば、すべての奪い合いも争いも消えます。
自分の土地、他人の土地、自分の国、他人の国。その分離観から、争いや奪い合いが生まれるのです。分離観が消え、皆、同じ地球の仲間だと心の底から思うことができれば、他の国を奪う必要もなくなり、戦争もなくなります。
このことを頭で理解するのではなく、事実としてそうとしか見えない世界があります。それが真実の世界、ひとつにつながった世界です。
◆無敵の世界
ひとつの世界とはまた、「無敵の世界」のことです。
自他を分け、自分と他人とで違いがあることで、争いや対立が生じるのです。正しさという価値観のぶつかり合いです。生きてきた環境、家柄、宗教や思想、人種や肌の色など、皆違います。そういった人との違いを見ていくと、それが障害物となりぶつかるのです。
しかし、皆、命としてはひとつだと、皆、仲間だという真実に目覚めた時、ぶつかり合いはなくなります。どんな環境にいようが、すばらしい人生を切り開いていけるのです。ちょうど、一切の障害物がない大草原を、ブレーキを踏まずアクセルだけでクルマを走らせるようなものです。
皆ひとつ、皆愛だという真実に目覚めた時、誰ともぶつからない「無敵の世界」に入るのです。敵など存在せず、全員があなたの協力者となる世界です。
◆愛の別名は「ひとつ」
皆ひとつであることが愛であるとはどういうことでしょうか。
「愛の反対語は何か」と問われたら、あなたは何と答えますか。「憎しみ」でしょうか。それとも「恨み」でしょうか。
私は、愛の反対語は「価値観」だと答えます。
「私の考え」「私の価値観」というものが「私こそ正しい」という分離の心を生み、その別々の「価値観」同士が対立して争いが起きるのです。
そして、愛の別名とは「ひとつ」です。宇宙の愛とは「ひとつ」ということなのです。
あなたの「本当の自分」とは愛そのものですが、本当の自分に目覚めることで「ひとつ」としての愛に気づくことができるのです。「ひとつ」としての愛こそが、真実なのです。
◆宇宙の愛の光を歪(ゆが)めるレンズ
宇宙の愛は一つの光源であり、その光は万物に降り注ぎ、森羅万象となって顕われています。
人間はまぎれもなくその中で生かされているのです。それなのになぜ、人は病気をしたり、戦争を起こしたり、地球環境を破壊したりするのでしょうか。それは、人々の思いという歪んだレンズが、光を遮(さえぎ)っているからです。
人の思いが、宇宙の愛の光を歪(ゆが)めているのです。その歪んだ光が、不調和な現象となるのです。
ですから、歪んだレンズをはずせば、宇宙の愛はそのまま現象として顕れ、大調和の世界が出現します。調和とは作りだすものではありません。すでにある調和に気づくことで、それが表面化するのです。
そして、その調和に気づくことで、皆、健康になり、平和になり、破壊された環境も再生されるのです。

5.ひとつの世界
3.あなたから変えていく世界