「心の仕組み」心の3層構造
1.あなたに起きていること~現実に目を向ける~
03人間は記憶の塊(かたまり)である
◆あなたの心は記憶でできている
心を映画のフィルムにたとえました。では、その心とは何でできているのでしょうか。
この問いかけに対し、私は「心は記憶でできている」と答えます。
私たちは生まれてから、多くの人間関係の中で経験を重ねながら生きてきたはずです。
親、兄弟姉妹、学校の先生、友達、そして社会に出てから出会った人々など、関わった人は相当な数になると思います。そして、その人たちとの関りを通して、嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、だまされたこと、ほめられたこと、辛かったこと、痛かったことなど、無数の出来事の記憶があるはずです。
ここで言う記憶は、たとえば学校の試験のために勉強した知識の記憶も含まれますが、むしろ、試験でよい点をとり、親や先生にほめられた「プラス」と思えるような記憶や、赤点をとってしまい「ちゃんと勉強しなさい!」と叱られた「マイナス」と思える記憶など、感情が湧き上がる記憶のほうが重要です。
実は、あなたの中にはこれら無数のプラスそしてマイナスの記憶がすべて保存されているのです。そして、出来事を捉える際の基準となっているのです。
◆人間は記憶でできている
さらに言えば、私は人間そのものが「記憶でできている」と捉えています。
もちろん、「細胞からできている」「遺伝子からできている」など、物理的な捉え方は多数あり、それらはすべて正しいのでしょうが、それらを包括するかたちで私は「人間は記憶からできている」と答えます。
あなたは「オギャア」とこの世に誕生した時、すでにおじいさん、おばあさん、そして、お父さん、お母さんに顔が似ていたり、性格が似ていたり、また、同じような病気になる可能性を秘めて生まれてきています。
つまりそれは、あなたの先祖からの記憶が、遺伝子によって引き継がれている証拠です。あなたの顔も、性格の一部も、ご先祖様から引き継がれた遺伝子の記憶なのです。実は生まれた時点で、ゼロスタートではなく、すでに膨大な記憶を背負っているのです。
また、魂の世界では、仮に前世があるとすれば、その記憶も明らかに影響を受けて生まれてきています。
このように私たちは、遺伝子からと前世からの記憶が折り重なって生まれ、生まれてからは無数の人々との関係の中で多くの経験を重ね、それらすべてを記憶として蓄積しているのです。
そして、
この記憶が、スクリーンに映像を映し出しているフィルムなのです。
1.あなたに起きていること~現実に目を向ける~
4.「本当の自分」とは