「心の仕組み」心の3層構造
1.あなたに起きていること~現実に目を向ける~
2.あなたの心が作り出す世界
仮に今、一見して人相の悪い人が目の前に現れたら、あなたはどう思うでしょうか。「この人は怖い人かもしれない」と思うはずです。しかし、その人のことをよく知っていて、彼はとても気の優しい、よい人だとわかっていたら、怖い人だとは思わないはずです。
このように、人を見るときも、自分の価値観でしか見ることができないのです。つまり、その人の真実がそこに存在しているのではなく、その人をそのように評価している自分の心があるだけなのです。
また、散歩していて向こうから犬を連れた人がやってきたとします。すると、犬はつながれているにもかかわらず、恐怖感を抱く人がいます。もし仮に以前、犬に噛まれた経験があれば、恐れを感じて当然でしょう。反対に犬好きの人は、かわいいと感じ、寄っていって飼い主に名前を聞いたり、さらには犬にまで話しかけたりします。
同じ出来事、同じ現象を見ているはずなのに、見えている世界も違えば、それに対する反応もまったく正反対です。このことはあらゆる出来事において成り立ちます。
つまり、外で起きていることには、それ自体として固定された意味はないのです。その意味はあなたの心が決めているからです。どんな出来事であれ、外に起きたことで嫌な気持ちや、責める気持ちになったとしたら、そう思う自分の心が現象面に映し出されているのです。
たとえるならば、私たちの目の前に起きるあらゆる現象は、映画館のスクリーンに映し出された映像のようなものなのです。そしてフィルムにあたるのが、私たちの心です。
映画を観ている時、気に入らない場面があったからといって、舞台に上がっていってスクリーンに映った映像に手をつけても、映像は変わりません。でも、後ろを振り向いて、映写機の中にあるフィルムを変えたら、一瞬で変わるのです。

1.あなたに起きていること~現実に目を向ける~
3.人間は記憶の塊(かたまり)である